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夏目漱石の予言

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。

言わずと知れた、「草枕」の一節。
転職活動しているときは、この文章がよく思い浮かんだ。

「智に働けば角が立つ」。。。知識を使い過ぎると
人間関係も上手くいかなくなる、という意味だけど、
技術者はこのタイプが多いんだよなー(笑)
特に自分のスキルに自信があって、しかもコミュニケーションスキルが欠落したタイプは
十中八九こうなる。
「情に掉させば流される」というのが、たぶん、自分みたいなタイプ。
以前、内定をもらいながらも結局踏み出せなかったのは、
こんなところなんだと思う。
情に掉さすことは必ずしも悪いことではないのかもしれない。。。のかな?

それにしてもこの「草枕」。
ちゃんと読んだのなんてもう10年以上前だけど(笑)、
ホント、上手いこと書いてあるなーと思う。

この世の中を作ったのは神様ではなく、ただの人。
ただの人が作った世の中なのだから、他に行く場所もない。
他に行く場所がないのなら、この世の中を少しでも住みやすくしましょう。
住みにくい世の中から、煩わしいものを取り去って出来るものが
絵や音楽であり、それが人の心を豊かにするのだから尊いものなのだ・・・云々。

「草枕」は明治39年に書かれたものだけど、
まるで予言と言いたくなるくらい、現代を言い当ててる気がする。

うまい物は食わねば惜しい。
少し食えば飽き足らぬ。
存分食えば後が不愉快だ。

まるで一連のライブドアvsフジテレビ/ニッポン放送を見るかのようだ(笑)
少しでは飽き足らなかったんだよね、堀江さん?
それでもっと食べたら、不愉快になったでしょ、お互いに。

明治の時代に書かれた漱石の言葉が
平成の世の中を嘲っているように見える。

その中で救いとも言える一節。

世に住む事20年にして、住む甲斐ある世と知った。
25年にして明暗を表裏の如く、日のあたる所にきっと影がさすと悟った。
30の今日はこう思っている。
喜びの深き時、憂いいよいよ深く、楽しみ大いなるほど、苦しみも大きい。
これを切り離そうとすると身が持たぬ。

「住む甲斐ある世」と思えたら、
それは素晴らしいことだなぁ。。。


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コメント 5

漱石さんは好きなんですが、三部作といわれたものしか読んでません。。この記事をみて、「草枕」読まなきゃなと気合が入りました(^o^)
by (2005-03-24 23:34) 

nyan

「智に働けば~」の冒頭より、すぐに昨今の一連のニュースを連想させられました。「住む甲斐ある世」と思えたら、ホントに素晴らしい事だと、私も思います。けれどもそう思えるようになるため、人任せではなく、自分が何ができて何をすべきなのかなど考えてしまい、、とても悩んでしまうんですよね、、私は。
by nyan (2005-03-25 02:32) 

ayu1023

昨日のカキコのお礼に伺いました☆
ほんまありがとうでした♪
by ayu1023 (2005-03-25 09:01) 

PANAMA

>一般市民さん
コメント&niceありがとうございます!
漱石の作品は、有名なくだりがある割りに通して読んだことがないものが
多いのですが(笑)、「草枕」はまた読み直してみようかな~という気になりました。
またお暇な時にでも遊びに来てやってください♪

>nyanさん
いつもありがとうございます~!
「住む甲斐ある世」と思えるようになるため、何が出来るか・・・・・深いテーマですね。
思うに、「住む甲斐」というのは「他の誰かのためにしてあげられる何か」と
ほぼイコールな気がします。
それが何かというのは、また難しいのですが・・・。
たとえばnyanさんのBlogを見て、楽しい気分になるのもその一つでは?(^-^)

>ayuさん
改めて、ご主人おめでとうございました♪
by PANAMA (2005-03-26 10:14) 

nyan

サンクス!
by nyan (2005-03-26 12:18) 

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